コンクリートペンキが剥がれる!?原因とは😵💫
コンクリートに塗ったペンキが「パリッ」と浮いてきたり、シートのようにベロンと剥がれてきて焦ったことありませんか?
見た目の問題だけでなく、放置すると雨水が入り込み、内部の鉄筋や下地まで傷めてしまうことも。
今日は、なぜ剥がれるのか、そのメカニズムと正しい直し方・予防法を、専門店の視点で分かりやすくお話しします🦖𓂃༞
目次
コンクリートとペンキの相性をまず理解しよう
コンクリートは多孔質で、内部に水や空気をたっぷり抱えます。さらに強いアルカリ性(打設直後はpH12〜13)で、
油性塗料の樹脂をけん化させることも。
乾いて見えても、内部から水蒸気が抜ける途中だと“蒸気圧”で塗膜を押し上げ、ふくれ→剥離を招きます。新設コンクリートは十分な養生(一般に28日以上)と乾燥、既存面は含水率・pH・汚れ・脆弱層の確認が大前提です。
剥がれの主原因チェックリスト
次のどれかに心当たりがあると、剥離リスクが上がります。
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下地処理不足
旧塗膜のチョーキング粉、レイタンス(表層の脆弱層)、油汚れ・苔・エフロ(白華)を残したまま塗った。 -
含水率・pH未確認
雨上がり直後や日陰面で十分乾かさずに塗装。高アルカリを中和せずに上塗り。 -
乾燥時間の短縮
下塗り→上塗りを急ぎ、規定のインターバル未満で重ねた。 -
塗料選定ミスマッチ
油性樹脂が高アルカリでけん化、床面に外壁用塗料、弾性旧塗膜の上に硬質塗膜など相性不良。 -
希釈・塗布量ミス
薄め過ぎ/厚塗り過ぎ/膜厚ムラ。 -
ひび割れ・動きへの無配慮
ヘアクラックや伸縮目地を処理せずに硬い塗膜をかぶせ、追従できず割れ→浸水。 -
環境条件の無視
気温5℃未満、湿度85%以上、結露・夜露、直射での急乾燥、塩害・凍結融解があるのに通常仕様。 -
特殊要因
可塑剤ブリード、金属との電食汚染、床の負荷(車輪・油・薬品)を見誤った。
放置のリスク
剥がれは見た目だけの問題ではありません。剥離→吸水→凍結や中性化の進行→鉄筋腐食→爆裂(コンクリートが割れてはぜる)という負の連鎖に。外壁・庇・パラペット・床スラブは特に要注意です。
正しい補修の基本ステップ(外壁・壁面)
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現地診断
ハンマー打診で浮きの範囲を把握。チョーキング、エフロ、カビ、クラックの種類(ヘア、構造、貫通)を分類。必要に応じて吸水試験や付着力確認。 -
物理的除去(ケレン)
浮いた塗膜は完全撤去。スクレーパー、ディスクサンダー、ワイヤーブラシ等で脆弱層を落とし、粉塵を除去。エフロはブラシ+清水洗浄、ひどい場合は中和洗浄(専門家対応推奨)。 -
高圧洗浄と乾燥
汚れ・苔・塩分を洗い流し、しっかり乾燥。目安として含水率が一桁台になるまで待つ姿勢が安全。 -
クラック補修
ヘアクラック:浸透性プライマー→微弾性フィラーで埋め戻し。
幅のある割れ:V/Uカット→カチオン系フィラーやエポキシ注入→研磨。伸縮目地はシーリングで可動性を確保。 -
下地調整
脆弱面には浸透性エポキシ/カチオン系シーラーで固化。巣穴や段差はフィラーで平滑化。 -
下塗り(用途別に選定)
粉っぽい面:カチオンシーラー。
脆弱・吸い込み大:高浸透型エポキシ。
ヘアクラック対策:微弾性下塗り。
アルカリ強め:アルカリブロック型を選択。 -
中塗り・上塗り
外壁には水性ラジカル・シリコン・フッ素・無機など環境と予算で選択。微細クラックが残る面は微弾性仕上げを優先。 -
乾燥管理と検査
各工程で規定の可使時間・重ね塗り時間を厳守。仕上がりは密着・膜厚・色ムラ・ピンホールを確認。
床・土間・駐車場スラブの考え方は別物
床は歩行・車両・油・水がかかる“過酷領域”。外壁用の塗料を流用すると高確率で剥がれます。
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室内床・ガレージ:エポキシ床用や水性ウレタン床用。下地はショットブラストや強固なケレンでレイタンス除去→プライマー→中上塗り。必要に応じて骨材でノンスリップ。
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屋外バルコニー:防水が主目的。ウレタン塗膜防水・FRP・長尺シート等の防水工法を検討。防塵塗料のみでは漏水リスクが残ります。
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立ち上がりや入隅はシール・増し塗りで水の通り道を封鎖。
塗料選びの目安
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下地が健全でクラック少:浸透シーラー+水性シリコン/ラジカル。
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日射・雨当たり強い海側:高耐候(フッ素・無機)+端部シール強化。
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ひび割れが散在:微弾性系で“追従性”を優先。
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高アルカリ・白華傾向:アルカリブロック性の下塗りを使い、十分乾燥。
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床用途:必ず床用塗料。素地強化プライマーはケチらない。
DIYでできること/プロに任せたいこと
DIYで可能:部分的な剥離の除去・洗浄、カビ取り、小さなヘアクラックの充填、浸透シーラー+補修塗装。
プロ推奨:広範囲の浮き、爆裂・鉄筋露出、床の全面塗り替え、エフロ多発、外部高所作業、構造クラックの処置。道具(足場・計測器)と安全管理、下地評価の精度が結果を左右します。
業者選びの見るべきポイント
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診断内容:打診・含水率・pH・クラック分類が工程表に書かれているか
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仕様書:下地処理の等級、下塗りの種類、乾燥時間、膜厚管理が明記されているか
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写真管理:着工前・下地処理後・各工程・完了の記録提出があるか
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保証:外壁と床で保証範囲を分け、剥離時の補修条件が明確か
目安の費用感(あくまで一般例)
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部分補修(1〜2平米):1〜5万円前後
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外壁の下地調整+再塗装:2,000〜4,000円/㎡程度(下地状態で変動)
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室内床の床用塗装:3,000〜6,000円/㎡程度
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バルコニー防水(ウレタン):5,000〜8,000円/㎡程度
下地が悪いほど“処理”にコストが乗ります。逆に、早期の部分補修は費用対効果が高いです。
予防メンテのコツ
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年1回の洗浄で汚れと塩分・カビをリセット
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雨だれ筋・入隅の水溜まりを観察、早めにシール補修
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ヘアクラックを見つけたら放置せず、雨期前に埋め戻し
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植栽の散水が外壁に常時当たらないよう散水位置を見直す
よくある質問
Q. 新しく打設したコンクリートはいつ塗れますか?
A. 目安として28日以上の養生後、含水率とpHを確認してから。環境によりさらに待つ場合があります。
Q. 剥がれた所だけ塗れば大丈夫?
A. 周囲の密着が弱いと再発します。境界をオーバーラップして下地からやり直しましょう。
Q. エフロ(白華)は拭くだけで消えますか?
A. 軽度は清水洗浄で改善しますが、根因が水の回り込みなら止水・通気の見直しが必要です。
まとめ
今日は「なぜコンクリートのペンキが剥がれるのか」を、下地・水分・アルカリ・環境・塗料の相性という視点で整理しました。
ポイントは、原因を特定してから手順を守ること☝️
脆弱層の徹底除去→乾燥管理→適切な下塗り→用途に合う上塗り、そしてクラックや入隅の水の道の封鎖です⭐️𓂃꙳⋆
床やバルコニーは外壁と考え方が違うので、専用仕様で臨みましょう!
もし「どこから手を付ければ…」と迷ったら、まずは現地診断で状態を“見える化”するのが近道です。
無理に一気に直さず、優先順位をつけて賢く進めていきましょう⋆͛📢⋆
あなたの家の寿命は、今日のひと手間で確実に伸ばせます!

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